金木犀の香り

2010年10月04日 20:50



この夏から秋にかけて、何度か実家を往復した。
退院した母と入れ替わるように今度は父が。
ベッドの上で申し訳なさそうな顔をする大柄な身体が
去年より小さく見えた。

丈夫だけが取り柄の私に
さらに輪をかけたほどエネルギッシュな両親。
いつまでも病気とは無縁な人達だと思っていた。
思いたかった。

大昔の九州男児を地で行く父と
一言多い江戸っ子気質の母、
何かとにぎやかな家だった。
兄も私も家庭を持ち、がらんとした家にはいま母がひとり。

秋草の伸びた庭先に下弦の月。
金木犀の甘い香りに思いがけず感傷を刺激され
慌てて奥歯を噛み締めた。



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